「・・・ひっく…、なんで・・・っ、なんでだよっ! なんで名前で呼んでくれないんだよッ!なんで・・・キス、してくれないんだよ・・・っ」


泣き声につられ思わず翡翠の顔を見てしまった…



捨てられた子犬のように瞳は輝きをなくし、そこからは溢れんばかりの涙たち。
ふっくらとした頬を存分に濡らしていた。



・・・そんな顔をされたら・・・どうしていいのかわからなくなる・・・



「俺はッ、惚れっぽいやつでも浮気性でもないっ・・・だけどッ・・・俺ッ・・・、このまま終わりなんて嫌だッ!! だからっ・・・ンンッ!? …・・・ふぅっ、ンッ!!」


これ以上聞いていると気がおかしくなってしまいそうだ。


そんな錯覚に陥り、これで最後と唇を奪う。