ざわざわと暑さを訴えつつ 爺さんの話が終わってから 生徒たちはここよりも涼しい 外へと出ていく。 俺も外へ外へと促す。 やっと外に出ると 小さな風がやってくる。 うーん…ゆるい…。 期待はずれな風に 萎えていると 誰かと目が合った。 「―――」 それはどっかの教室のベランダで 彼女は凛とした姿で俺を見ていた。 俺…というか生徒たち。 背は小さめでセミロングのストレート。 笑っても泣いてもいない顔で こちらを見ていて、つんとしていた。 俺はそんな彼女に惹かれた。