漫画でも読もうと個室を出た私は、
至れり尽くせりのシステムに、ただただ感動していた。


ドリンク飲み放題はもちろん、電子レンジにポット、充電器、シャワールームまである。


「下手に安い宿泊まるよりいいわよ」


フフフ、と軽笑しながら話しかけてきたのは、キャリアウーマン風の女性。

見たところ、30代くらいに見える。


本当に色んな人が訪れるんだなぁ…。



「そうなんですか」とお愛想笑いしながらその場を去ろうとすると、


「あなた、シンくんの彼女?」


いきなりシンちゃんの話題になって、スルーすることなんて出来なかった。



どうして名前まで知ってるの…?


まさか、元カノとか!?



シンちゃん年上好きだったとか?

あまりに動揺して、妄想が昼ドラと化す。