彼女の言うことには【探偵柿沼良介の多難な1日】短編



バカね。


私、幽霊なのよ。


死なないの。


命をかけて、庇ってどうするの?


お人好しなのね。


でも……。


嬉しかった。


ありがとう、――さん。


それと、嘘をついてごめんね。


私の依頼、あれはキャンセルね。


良介は、そう言って微笑むゆうりを見た気がした。