そこは、郊外も、郊外。
周りは雑木林しかないような、そんな場所だった。
無人駅で降りた小田をいくら離れて尾行したところでさすがに目立ちすぎるので、良介は駅で待機して、ゆうりに後を追って貰う。
きっかり二十五分後、ゆうりが戻って来た。
「亜佐美さんがいました……。まだ生きてるけど、早くしないと、危ないと思います」
幽霊のゆうりの顔が、青ざめて見える。
「分かった。案内してくれ」
ここまで来たら、最後まで行くさ――。
亜佐美が生きているのなら、助けたい。
それは、格好付けでもなく、正義感ぶっているのでもなく、良介の純粋な思いだった。



