でも、何でか智士の顔を見ると、声を聞くとイライラする。
そんな様子を読み取ったのかはわからないが。佐光は帰れって言ってくれた。
だから、今すぐ帰りたいのに。
智士はまだうちのかばんを肩に掛けて、渡してくれる素振りも見せない。
それどころか、
「…何で帰るんだよ」
なんて怒られた。
「…何でも良いだろ。うちはとにかく帰る。」
「まだ雷鳴ってるのにか?
何のためにお前は職員室に来たんだよ!?」
「…帰るため」
「っ…、じゃあいい。送ってく。ほら、行くぞ。」
そう言って智士は強引に腕を掴んで連れていこうとする。
その手は、怖くて、思わず振り払ってしまった。
「…っいい!!一人で帰れるっ!!」
ここが職員室だということも忘れて、叫ぶ。
「雷鳴ってるのに一人で帰らせれるわけねぇだろうがっ!!」
彼も、うちにつられてなのか、大声で反論してくる。
その言葉の真意が読めなくて、泣きそうになる。
近いところに居た筈なのに、遠くなる。
笑って合って居た筈なのに、疑ってしまう。
全てはここから、違っていった。



