思いを馳せていたうちを嘲笑うように、
「たっだいまー!!」
そう大声で職員室に入ってきたのは智士で。
扉の近くにいた生活指導の岩下にうるさいって殴られた。
「お前は…それで級長なんて務められてんのか!?」
「なんすか、それ!!務められてますよ!!
なんなら佐光先生に聞いても良いっすよ!?
ねぇ、先生!?」
話しかけられた当の本人はというと。
「……♪…」
大好きな音楽をヘッドホンで聞きながら、鼻歌さえも歌いながら、自分の世界に入っていた佐光武瑠。35歳。
鼻歌はマジできしょいからやめてほしい。
「……」
ほら見て。あのいつでも無愛想な岩下でさえも口ポカーンって開けてアホ面してる。
「…さ、佐光さん、」
岩下があんな顔してるのって怖い。
だから早く元に戻って欲しくて佐光に呼び掛けた。ら。
「んー?」
やめてくださいその満面の笑み。怖いです。非常に怖いですよおっさん。
「戻れ。」
バシッ
いつもの佐光を呼び戻すように叩く。
「っ…!!いたいじゃんか!!」
「佐光ちゃん、喋り方までキモくなってるから。キモいから。」
「…ちっ。で?用件はなんだ?」
うわー、このおっさん生徒に舌打ちしたよー。
自分の世界を邪魔されたことがよっぽど気に食わなかったんだねー。
…ガキ。



