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「お?随分早かったな。智士は?」
職員室に帰ってきたうちに、佐光はそう声をかけた。
「あー…、楽譜は別に今日じゃなくてもいいなって思って、」
「なんだ、教室まで行ってないのか?」
「…まぁ、はい。」
返答を濁らしたうちを、佐光は不思議そうに見ていたけど。
そんなことにも気付かないほど、うちの頭の中は別のことでいっぱいだった。
『これで智士は里桜のものだからね』
そんなこと、うちを見ながら言わないでよ。
わかってるから。最初から智士は里桜のものだったことぐらい。
わかってるから。
「うちに、どうしろって言うんだよ…」



