「な、何のことを言ってるんだか」
「っ…!!まだ嘘つくつもりなのかよ!!」
やっぱり今日の智士はおかしい。
「な、んでそんなに怒ってるのかわかんない!!うちが何したって言うの!?」
「別に!!お前が、何か、した訳じゃ…」
最初は威勢よく言い返したのに、だんだん声が小さくなってく。
「さとし…?」
「その首、」
そう言って、智士がうちの首に手を伸ばした。
「…っ!!」
バシッ
「…え?」
「あ…、え、っと、ごめん、」
「……」
智士の手が触れたとき、思い出してしまった真弥の狂気に満ちた顔。そして、息苦しさ。
智士が何かをした訳じゃないのに、急に怖くなって、思わず手を振り払ってしまった。
智士は悪くない。
何も悪くない。
だから、
「…そんな、傷ついた顔しないで?」
「…その首の痣、」
智士は言いにくそうに、聞いてきた。
「あれ、痣になっちゃったんだ…。」
「指の痕まで、くっきりついちゃってる。」
恐る恐る再びうちに手を伸ばした智士は、さっきのダメージが相当でかかったみたいで、
「…うん」
本当にそっと、優しく痕をなぞるように触った。



