智士が図書室に来るまでは一人で色々と考えていればいい。
それが終わったら本を読んでいよう。
どうせまだ迷ってるだろうから時間もかかるし。
…ほらね。智士がいなかったらこんなにも早く図書室に着くのに。
ガラッ
「…綾?」
「……」
なんか幻聴が聞こえた。しかも智士の声で。
「おい、無視すんなって。」
…やっぱり何か聞こえる。
声のした方を見てみると、
「…智士?」
「よぉ、綾。お前遅かったな!!」
「な、んで」
「何でって…、俺天才だから気付いたら着いてたんだよ。」
「……」
「…綾?」
「何、してんのよ」
「はぁ?お前何言って」
「何で、もういる、の?」
「…お前、」
「…っ…、智士の、せい、で、っこわか、た…っ!!」
「…ごめん。」
いきなり泣き出したうちに、智士は何も聞かなかった。
「っ…、ひと、りでっ、ふあんだ、たっ…!!」
「…うん。」
何も聞かずに、優しく抱き締めて、あやすようにずっと背中を撫でてくれてた。
「うちをっ、おい、て、…っ、いかな、いで、っ…!!」
「…うん。」
智士が来るまでは、一人で泣いていようと思ってたのに。
さっきの恐怖を見せないように、一人で泣いていたかったのに。
「なん、で、いるのっ!!」



