ビクッ
これはヤバイ。とうとう見つかってしまった。
保健室を通りすぎたからすっかり安心していたが、通りすぎた後に開くという可能性を考えていなかった。
恐る恐る、怒られる準備をしながら振り返ると。
そこには。
「…真弥?」
こちらに訝しげな視線を送る、真弥がいた。
「あんた、こんなとこで何やってんの?」
うちと一緒にいた頃の真弥からは欠片も感じられなかった雰囲気。
「…そっちこそ。」
真弥をここまで変えたのは、たぶん里桜だと思う。
「うちは朝からずっと保健室にいたよ?その理由も、朝のSTの時に佐光が言った筈なんだけど。
まぁ、恐らくは智士との会話に夢中で聞いてなかったんだろうけど。」
…図星だった。
席替えをして智士の隣になって、いつもバカやる智士を弄ったりして、最近は授業さえもまともに聞いていないから。
「多分興味なかったから聞こえてこなかったんじゃね?」
でも、コイツにたいして智士の名前を出すのは厳禁だから。
「…そう。うちはあんたの事に興味津々なんだけどね?」
ゾクッ
「…どういう意味?」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
「んー?そのままの意味だよー?」
頭の中の警鐘が鳴り響く。
今逃げないと本当にヤバイ。
でも、足が竦んで動けない。
コイツにたいして足が竦むことなんて有り得ないと思ってたのに。
今はコイツの雰囲気に圧倒されて、今にも泣きそうになってる。



