キーン コーン カーン コーン



「あ!!鐘なったよ、鐘!!早く出発しよ!!」


鐘がなった瞬間、教室の扉までダッシュし、そこから満面の笑みでうちを手招きし呼ぶ。



「はぁー…。ほんと、お子様なんだから…。」


とか言いながら、うちも授業をサボるのが楽しくてしょうがなかったりするから、自然に頬が緩む。


ちなみにこの時間は数学だ。

皆がこの授業を受ける価値無しと思っているから、基本的にお喋りタイムになりつつある。


だからサボっても何ら問題はないということだ。


「なぁなぁ!!まずはどこいく!?やっぱ図書室!?」


「いや、やっぱの意味が全然わかんない!!」


「えー、サボる場所の定番でしょー。」


「…それだったら普通、屋上じゃない?」


「…あ。」


相変わらずどこか抜けてる智士は、思い付かなかったようで。


「い、いや!!でもやっぱ図書室でしょ!!」


動揺を隠しつつも(隠しきれてないけど)やはり最初の提案を押し通した。


「はいはい…、図書室ね。じゃあ早く行こ。」