君と過ごした日々




うちは絶対嫌だけどな。


「なんか俺の名前が出てたけど…どうかした?」


「な、なんでもないよー、ただ皆で話してただけだし。」


…ほら、またその何もかも見透かすような目で見てくる。本当は、この人と話してると背筋が寒くなるから嫌なんだよ。


「なんだよ、綾ー。話の内容をちゃんと言ってやればいいだろー?」


そう言って絡んでくるのはお馴染み、さっちゃんで。

しかも今回は肩に手まで回して、馴れ馴れしい感アップしてます。


「黙れ、セクハラ男。」


「セ…っ!!なんで俺がセクハラ男!?」


「自分の胸に手を当ててよぉーく考えてみなさい。」


「………」


ふっ。本当に胸に手を当ててやんの。


相変わらずこいつのバカさ加減には自然に笑みがこぼれてしまって困る。

と、笑っているのに気付いた智士が顔を真っ赤にして口をパクパクしている。例えるならそれは金魚。つーか、例えるまでもなくまんま金魚。


「…お前ら、俺の存在忘れてね?」


あ、


そんな心の声が智士と被った気がする。心の声だからあくまで気がする、だが。


「えーっと、」


「と、特に意味はねぇんだよ!!な!!」


「あ、うん。」


「じ、じゃあ俺はこれで!!」


智士は、一気に自分の言うべきことだけ言って帰っていった。


…なんであんな慌ててたんだろう?



「…結局なんだったの?」


相変わらずの冷たい言い方。うちもさっさと話を切り上げて逃走しようかな。


「うちもよくわかんないんだよねー。あははー。…じゃあうちも行くねー。」


何かうちが一人で喋っていたみたいだが、ちゃんと前には成宮拓海がいたんだよ。思いっきり不審な目を向けながらね。