「あのー…」 「何?」 「…誘われちゃった。」 「………」 「………」 「………」 「………」 「え、智士に?」 「………」 それだったらどれだけよかっただろうね。 智士はいつも、うちのそばにいてくれた。 何気ない一言で、救ってくれた。 そんな彼は、もう手が届くことはなくなって。 「じゃあ誰よ?」 答えなくなったうちに、春香は痺れを切らしたようで。 「…拓海だよ。」 拓海ははいつも優しくしてくれるけど、どうにも話しにくい。 智士といた時みたいに、心から笑い合えないんだ。