大声で入ってきたのはどう考えてもこの学校の生徒じゃない人達。

恐らく高校生。つか、絶対高校生。


あの制服がかわいい長嶺高校の人もいる。



「…奈歩、あんた今合奏中ってわかってんでしょ?」


合奏がまとまらなくて苛々してた先生は、先輩らしき人たちの顔を見て、呆れてた。


笑ってたけど。



「まぁまぁ、諒子ちゃん。そんな怒るとせっかくの綺麗な顔が台無しだよ?」


奈歩と呼ばれた長嶺の制服を来た先輩は、親しげにそう言った。


「はぁ…。相変わらず口だけは達者ね。」


呆れた口調で喋ってるその先生は。



内藤 諒子(ナイトウ リョウコ) 23歳
担当教科は音楽
そして、吹奏楽部の顧問

身長165センチの細身で綺麗な先生は、厳しいことを除けば文句なしの美人だ。



「んで?諒子ちゃんは何に苛々してたの?」


当たり前のように先生の横に座り楽譜を覗き込んでいる。


さながら、教師のようだ。



奈歩先輩以外の人は、それぞれ差し入れとして持ってきたらしいジュースを配っていた。

メンバーだけでなく、うちら一年生にも。


そして配り終えた後、うちらのとなりに座り、


「ここって本当、地獄だよねー(笑)」


などと気さくに話しかけてくれた。