『二十歳までの命』
そう言い聞かされて、生まれ育ってきた。
小さい頃から病院ばっかり通ってて、学校では孤立した。
案の定いじめられては、不登校になった。

そして中学を卒業して、とりあえず地元の高校に入学したのはいいけれど、やっぱり上手いようには行かず、六つ違いの姉が住む東京に引っ越してきた。
今度は上手くやれるように。
『大丈夫だから』
お母さんは泣いていた。
お父さんはわたしの手を強く握った。
その二人に、わたしは精一杯笑った。

「じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
今日がその学校に初めて登校する日だった。
前の学校の制服だけど・・・。
高校一年の二学期。
「上手くやれるかな・・・」
地元ではあまり見ない人ごみと、満員電車。
やっとの思いで電車に入ると、色んな制服を着た人たちが居た。
その中でも目を引いた女の子。
わたしの学校の制服、あんなだったような・・・

音楽を聴いている。
茶色く、きれいな長い髪の毛。

少し、嫌な過去が巡った。