「んーじゃあ帰るね!」 あたしは枝里に向かって言った。 あたしはお兄ちゃんが塾の終わる 11時までの1時間だけ 自習室で勉強をして帰る。 この日は両親とも帰りが遅いから お兄ちゃんのバイクで帰ることに なっていた。 「美穂!」 あたしが階段を下りていると 後ろから宏稀の声が聞こえてきた。 「ん?なに?」 あたしは宏稀の方を向いて尋ねた。