誰?




ここが天国ならその声は神様か天使なはず。





そこに立っていたのは男だった。




歳はたぶん20代半ば。



中肉中背。



美香と同じ白いブラウスとデニムのパンツを着ていた。





「お腹減っているでしょ。ご飯作ったから一緒に食べようよ。」




そうはにかんだ笑顔で言い、絵が置いてある部屋へ男は行ってしまった。




美香もその後をついて行く。








テーブルにパンとベーコンエッグにサラダ。




その横にコーンスープが湯気をたて並べられていた。




男が椅子に座ると美香も恐る恐る椅子に座った。





「どうぞ、召し上がれ。」




男はさっきのようにはにかんで美香に言う。




美香はまた恐る恐るコーンスープを口に運ぶ。




美味しい。

そして温かい。



そのままパンやサラダもむしゃむしゃと頂く。





お腹は減っていたんだ、と美香自身もそのとき気づいた。




男はそんな美香を見つめながら優しい声で言った。