「空…もうどこにも…、行かんで…」


かれた声を痛む喉から、必死に出して、

がんがん揺れる頭も、気にせずに。


その言葉を言った直後、あたしはすぐにまた、意識を放してしまった。


「どこにも行かんよ」


そう言った、空の笑顔を見てから。