「理由はそれ。もう我慢できんかった。和菜はいつも笑っとうのに、俺がそんな風に和菜のこと見とうのが嫌でたまらんかった。ごめん」


言ってることの半分は、よく分からなかった。


ただ、空が苦しんでるのに助けてあげられないのが苦しかった。


空は何も言えなくて、

あたしは何か言えるはずもなくて、


「…じゃあ」


そう言うと、空は教室に戻っていった。


あたしはその場に立ち尽くし、うつむいたまま、何もできなかった。