「…ってことは! あたしどうやってここま……」 「俺が運んで来たんだけど?」 あたしの言葉を遮ってさらりと男の子は言った。 「そう…なんですか。 ありがとうございます。」 そう言って再び視線戻した。 そっ…か、 運んでもらったんだ……って!! 「――えぇっ?」 ガバッと身体を起こした。 「…誰が誰を……ですか?」 「――俺が梨音を、 って言ってんじゃん。」 またさらりと返されて何も 言えないあたしは 再び、静かに横になった。