「悪かった」
「え?」
「昨日は一方的に攻め立てたりして悪かったよ」
瀬名君から聞いた事を話すと、ようやく果歩から強張った表情が消えていくような気がした。
「陽……」
「ケーキサンキューな。全部俺のためにしてくれてたんだろ?」
気まずそうに頷いた果歩の頭をそっと撫でる。
聴診器を外してフッと笑うと、突然果歩の瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「なに、泣いてんだよ」
「…だって……」
「逆切れの次は今度は泣き落としか?」
そう意地悪く言った俺に、もう果歩は何も反論しなかった。
そのかわり俺の手を握り起き上ると、ギュッとそのまま抱きついてくる。



