☆★☆(SS完結)


「何で静香に言わなかった?」


「えっ」


「この様子じゃ今日の朝から具合が悪いんだろう」



何で?と言いたそうな果歩を無視して俺はそのまま立ち上がった。


いろいろ突っ込みたいことはあるが、今はそれどころじゃない。


白衣のポケットから聴診器を取り出し耳に当てると、そのまま果歩の胸に当てた。



「冷たっ」


「我慢しろ」



やけに静かだった。


一瞬嫌がるかとも思ったが、以外にも果歩は大人しく俺に身を任せてくれた。


ドクンドクンと、少し早めの鼓動がだけが俺の耳をかすめていく。


熱のせいか。やけに熱く潤った瞳が色っぽくて



「あんま見つめるなよ」



そう言っていた。


らしくなく緊張する自分に気づかれたくなくて、ふいに視線を逸らす。