「…あの……」
それが誰なのかはすぐに分かった。
そんなの振り向くまでもない。
果歩だ。
やっと聞けた果歩の声。
昨日から聞きたくてしょうがなかった果歩の声。
会いたくてたまらなかった果歩がすぐ後ろにいる。
俺の気持ちは一気にハイテンションへと駆け上がっていく。
「悪い、今手が離せないから院長室で待ってて」
なのに
何故かそうつき離した言い方になってしまった。
あんなに会いたくてたまらなかったくせに。
いざ、果歩を目の前にすると妙に照れ臭い。
今さっき瀬名君に本当の事を聞かされたせいか、変に緊張して振り返ることもできなかった。



