☆★☆(SS完結)


「正直完敗です。これをうちの両親に教えてもらってる時の三月の顔ったら、それは今まで見たことないほど可愛い顔をしてましたよ」


「………」


「あ~…こんな優しい表情もするんだなって。いつも学校で見てるクールな三月とはまるで別人で、とてもじゃないけど俺の気持ちを言える隙なんてなかった」


「………」


「それに、昨日あなたと一緒にいる時の三月の顔、あんなか弱い三月を見たのも初めてでした。……本当、何て言うか悔しいぐらいに失恋っすね」



そう言った瀬名君の顔は本当に清々しくて、何故だか俺の心までスッと晴れ渡るようだった。


……そして、その表情から瀬名君がどれだけ果歩を好きだったのか、それもよく伝わってくるようで



「妬けるな……」



思わずそんなふうに呟いていた。



「果歩のそんな姿を間近で見れた君が正直羨ましいよ」



俺のためとはいえ、果歩の普段見られない一生懸命な姿を1カ月も一人占めしてきた彼を、この時本気で羨ましいと思ってしまった。