それから瀬名君はここ1カ月ぐらいのことを事詳しく教えてくれた。
彼の実家はケーキ屋。
それを知った果歩が突然働かせて欲しいと言ったこと。
最初は断った彼も、果歩の意気込みに負けて最終的にはしぶしぶにOKしたこと。
ただし、1か月間という短期の約束で。
毎週水曜日から土曜日の週4日という形で始まったそうだ。
「……でも、正直本当はすごく嬉しかったんです」
「えっ?」
「三月がうちに来てくれて」
瀬名君はそう言うと、少し照れくさそうにはにかみ俺をじっと見つめた。
「俺、ずっと前から三月が好きでした」
「え?」
「ずっとずっと、2年前からずっと三月のことを見てました。………だから、例えどんな理由であろうと一瞬でも三月が俺に頼ってくれたことがすごく嬉しくて」



