☆★☆(SS完結)


「君は確か……」


「あ、えっと、遅くにスミマセン。瀬名です。昨日はありがとうございました。……まだ、大丈夫でしょうか?」


「ああ……」


そう言われ、俺は驚きながらも瀬名君を診療室の中に入れた。


患者用の椅子に座るように言うと、なぜか瀬名君はそこには座らず、立ったまま俺を見た。



「あの、これ……」


「えっ?」



突然目の前に差しだされた白い箱。


よく見ると、それはぐしゃぐしゃとつぶれていて、形が見事に変形していた。



「えっと、これは……」


「昨日三月が作ったケーキです」


「え?……果歩が?」


「はい。あなたのために」



瀬名君はそう言うと、ポツリ、爽やかな笑顔で話し始めた。