「ま、せいぜい初めて感じる本気の恋にもがき苦しみなさいよ」
意地悪く笑い、じゃあね。と部屋を出て行った静香の背中を茫然と眺めていた。
だとしたら、俺は最低な男かもしれない。
もし本気で果歩がそう思ってるなら、俺は恋人失格なのかもしれない。
『わざわざバイトなんかしなくても俺に頼めばいいだろ?』
『一言俺に言ってくれたら、何でも好きなようにしてやるのに』
昨日自分が言った言葉を酷く後悔した。
それはどれも俺の身勝手で、嫉妬まがいの独占欲。
果歩の為によかれと思ってた事が、実は自分勝手なエゴだったなんて想像すらしていなかった。
そんなことは俺が一番気を付けてたはずなのに、情けねぇ…
果歩が怒るのも無理はないのかもしれない。



