ただでさえ前科持ちの果歩。
単位がギリギリで、夏休みに危うく卒業できないと忠告されたのはどこのどいつだ。
忘れたとは言わせねーぞ。
あれから必死に補習も出て、俺の努力の成果もあってか、ようやく卒業できるめどがたってきたんだ。
成績だって順調に上がってきて、やっと軌道に乗ってきたというのに……
「何か欲しいものでもあるのか?」
なら。
そこまでするなら、よっぽど何か欲しいものでもあるのだろうか?
俺に隠してまでのよっぽどのもの……とか?
「違う」
「じゃあ何なんだ。俺に嘘付いてまで何がしたかったんだ?何が不満だったんだよ…」
何をそんなに隠したがるんだ。
何で正直に言ってくれない。
もう一度果歩の腕を掴み、正面から見据える。
「一言俺に言ってくれたら……、何だって…、何だって果歩の好きなようにしてやるのに。わざわざバイトなんかしなくても俺に頼めばいいだろ?」
そうだろ?



