クルッと背を向け、キッチンに向かう果歩の背中を見つめながら、緩めかけのネクタイに手を伸ばす。
まぁ、よっぽどそんなに深く考えることでもないだろう。
正直今の果歩の余所余所しい態度に妙なひっかかりはあるものの。
でも、果歩の場合他の子達とは多少違う家庭環境ってのもあるし。
ひょっとしたらその類の話しかもしれないしな。
ま、なんとかなるだろう。
そう思い、安易な気持ちでその場をやり過ごしていた俺だったけれど。
まさか、
それがそもそもの大きな間違いだったとは、この時の俺には知る由もなかった。
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