「こんな仕事ばっかの彼氏なんか諦めて、他に構ってくれる人と仲良くやってたりし…」
「アホか」
思わず突っ込みを入れていた。
んなわけねーだろ。
「果歩にかぎってそれはねーよ」
つーか。あってたまるか。
「いい加減なこと言ってんじゃねーよ」
スパッと言葉を遮り、不機嫌な顔を向けると、静香が俺を見つめながら口の端を上げた。
「あは。それもそうねぇ。ちょっとからかってみただけ。果歩ちゃんにかぎってそれはないか」
フフフ。と可笑しそうに笑う静香に本気で嫌な顔を向けた俺。
ったく…。相変わらずこいつは…
「だったら言うなっつーの。つーかそんなくだらないこと言ってる暇があるならさっさと行けよ。旦那待ってるんじゃねーのか?」
「あ、そうだった。あんたに構ってる暇なんてなかった。それじゃあね陽生。まあせいぜい一人寂しく頑張んなさい」
そう言ってあっという間に院長室から出てった静香に、俺は今日一番のため息をこぼしたのは言うまでもない。



