相変わらず我がまま一つ言わない果歩。
なんつーかな?
聞きわけがいいっていうか、欲がないっていうのか…
あっさりとしすぎる態度に、逆にこっちがガックリと肩の力が抜ける。
もっと我がまま言ってくれればいいのに…
正直そんな詰まらなさを感じながらも、まぁ…
「せめてケーキの一つでも買ってってやろうかな」
この時間だと、コンビニのケーキしか買えないけど…
そんなことを思いながら、もう一度一息つこうとしたその時
「先生お疲れ様です」
ナース達の声が聞こえ、俺は顔を横のドアにずらした。
「ああ、お疲れさん」
片づけが終わったのか、俺と同様ホッと肩の力を抜いたナース達が俺に笑顔を向ける。
これからデートの約束でもあるのだろうか?
あからさまにいつもよりテンションが高く、浮だった様子だった。