「今頃果歩は何してっかな…」
天井を見上げながら、思い出すのはやっぱり最愛の恋人のこと。
果歩の姿を思い浮かべては、何となく申し訳ない気持ちに押し寄せられる。
正直、こんな日は一緒にいたい。
せっかくのクリスマスなんだ。俺としては一緒に過ごしてやりたいのはやまやまだ。
ただでさえ高校生活最後のクリスマス。
おまけに去年もまともに過ごせてやれなかったし、今年こそはいろんな思い出を…
なんて淡い期待ももったりしたが、なんてことない。
状況は変わらずこのありさま。
一緒にいてやれないどころか、何もしてやれないのが現実ってわけで…
『別に私なら気にしてないよ。むしろ仕事頑張ってきなよ!椎名先生』
なんて気丈に振舞う果歩の姿が余計切なかった。