「マジでやられた…」



そんなことを呟きながら、俺は鞄から数枚のパンフレットを取り出した。


内心にやけながら、それを手にした瞬間俺の意思は固まった。



「やっぱ、こっちだな」



それは県外の有名温泉宿を特集したパンフレット。


少し前「一度も温泉に行ったことないの」と言った果歩を喜ばせたくて、内緒で計画を立てていた。



「やっぱ温泉って言ったら混浴だよな」



しかも個室。


個室露天風呂付客室なんていったら最高のシチュエーションだと思う。


ふと、可愛い声で鳴く果歩を想像しながら、楽しみが無限に広がっていく。



つーか果歩の浴衣姿ってやばくねーか。


想像しただけでエロ……とか。