「だから、そのクシャけたケーキは捨てちゃっていいよ」
「いや、ダメだ。これも食う」
「えっ」
「両方食うからお前も一緒に付き合え」
俺はそう言うと果歩の座るベッドの隣の椅子に腰を下ろし、皿の上にケーキを乗せた。
「……でも、お腹とか壊しちゃうかも…よ?」
「そうなったら、そうなったで別にいい。今ここでこれを食べない方のが俺にとっては痛い後悔だ」
せっかく果歩が作ってくれたケーキを無駄にさせるかよ。
そんな思いでそのまま食べ始めると、果歩が戸惑いながらも優しい笑顔でポツリと言った。
「ありがとう」
「ああ」
「…でも、私、試食で沢山味見したからあんまり食べられない、かも?」
「はは。そうか。それは予想外だな」



