「んんんっ・・・んーーっ」

ドンッ!!
あたしは勢いよく爽君を押した。

「・・・・てっ」

爽君はあたしが押した衝撃で床に頭をぶつけた。

「何、もしかして由美ってキス初めて?」

爽君はあたしに近づきながら言ってきた。

「べっ別に初めてじゃないしっ!!てかなんでキスすんの!?てかっ爽君キャラ違くない!?」

あたしは後ずさりながら爽君に聞いた。

「へー初めてなんだ、じゃあファーストキスはあの時か。まぁキスは勉強教えてもらったお礼だって。てか本来こっちが素だから俺」

お礼とか意味分かんないしっ
って嘘ついたのばれてるし!!

トンッ

あたしは後ずさりしてたら壁にぶつかり爽君と壁の板挟み状態になった。

「ちょっ・・・」

爽君がまたあたしに近づいてきた。
てかっ近すぎ!!
あたしと爽君の距離はもう息がかかる距離。少しでも動いたら唇に触れちゃいそうなそんな距離。

「俺、これから由美惚れさすからっ覚悟しといて」

「はっあっありえないから!!あたし好きな人いるし!」

「それって多田先輩?」

ビクッ

なっなんで知ってんの!?あたし爽君に言ったっけ!?

「やっぱりそうなんだ。でもそんなの関係ねぇし。絶対俺を好きにさせてみせるから」

そう言って爽君は自分の部屋に戻って行った。

「絶対好きになんてならないからっ!!」

あたしはドアの向こうの爽君に聞こえるように大きな声で言った。







だけどこの時は思いもしなかった。爽君を好きになるなんて・・・・