「やっやだっやめて多田君」

あたしは多田君を押しながら言った。

「うっせぇなっ気持ち良くしてやるっていってんだろっ少し黙ってろっ」

そう言うと多田君はあたしの口を右手で塞いでもう片方の手であたしのブラを外そうとしていた。

「んっんんんんんー」

あたしは必死に声をだそうとした。だけど口を手で押さえられているから上手く声がでない。

やだっやだっやだっ怖い怖いよ・・・

あたしは目に涙を浮かべていた。

「ヤバッその顔そそる」

そう言うと多田君はあたしにキスをしようとしてきた。

やだっ!!

あたしはすぐに顔を反らした

バギッ!!

えっ!?
何今の音?

あたしは恐る恐る顔を上あげて音のした方を見た。
えっ?
あたしが見た光景は多田君が倒れていて・・・それで・・・爽君が目の前にいた

「なっなんで・・・」

あたしの言葉も聞かずに爽君はあたしを抱き寄せた

「大丈夫か・・・?」

爽君はあたしを大事そうに頭をなでて言ってきた。あたしは堪えていた涙が出た

「うっ・・・えっ・・・」

「もう大丈夫だから」

「怖かっ・っ・た・・・そ・・・う・ふっ・くん・・・がこ・・・なっ・・・ヒック・・・かっ・・た・・・らあた・・・し・・・」

ギュッ

爽君はあたしを抱き寄せる力を強めた

「もう何も言わなくていい俺が側にいるから」

あたしは爽君の胸でわんわん泣いた。
ずっとずっとあたしが泣きやむまで爽君はあたしを強くだけど優しく抱きしめてくれた







「あっありがと・・・助けに来てくれて」

あたしは泣き止んだ目を腫らしながら爽君にお礼を言った

「礼なんていいよそれよりもう大丈夫か?」

爽君は心配そうにあたしの顔を覗きこんだ

「もう大丈夫だよっ爽君のお陰だよ」

まだ恐いけど・・・

「・・・無理すんな分かんだよまだ恐いんだろ!?」

爽君はあたしをまた抱き寄せた

ドキッ

胸が高鳴ったのがこの時は分からなかった

なんでなんで分かんのあたしがまだ恐いって

「まだ恐いよだけど爽君がいるから大丈夫」

「由美・・・」

爽君はそれ以上何も言わずにただ強く抱きしめてくれた。