「あっあたしまだここにいるよっ」

「そっじゃあごゆっくりぃー」

琴音はそう言うと教室に戻って行った。

「はぁーーーっ」

あたしはため息と一緒にその場に座り込んだ。
なんか本当気が楽になった。気が楽になったら眠くなってきたなぁ
とその時
屋上の扉が開いた。

ガチャッ

誰だろ?
と思いあたしは扉を開けた方向を見た。
そこにいたのは爽君だった。
あたしは逃げ出したくなり屋上を出ようとしたら

パシッ

爽君に腕を捕まえられた

「ちょっ・・・・」

「なんで避けんの?」

あたしは離してと言おうとしたら爽君に言葉を遮られた。

「・・・・・」

「昨日のことが原因もしかして?」

ビクッ

「俺、本気だから昨日のこと。ぜってぇ由美を好きにさせてみせるから」

パシッ

あたしは爽君の手をはらった。

「絶対に好きになんてなんないから!!」

あたしは爽君をおいて一人走って教室に帰った。

パタパタパタ

絶対絶対好きになんてなんない!!なる訳ないし!!
そんなことを考えながら走っていると

バンッ!!

「きゃっ・・・」

人にぶつかってしまった。

「ごっごめんなさいっ大丈夫ですか!?」

あたしは申し訳なく謝った。

「てぇーー」

その人はあたしがぶつかった衝撃で床に尻餅をついていた

「・・・大丈夫っあんたこそ大丈夫?って園田!?」

へっ?
あたしは恐る恐るぶつかった人の顔を見た

「たっ多田君!?」

「よかった丁度園田に用事あったんだ」

「へっあたしに?」

何だろ用事って?

「園田今週の日曜日暇?一緒に映画見に行かない?」

へっ?えっ映画!?
それってつまり多田君とデートってこと!?

「園田?」

「へっうん大丈夫だよ」

あたしは頬を赤らめながら言った。

「よかったぁじゃあ日曜日の10時に○○駅に集合でいい?」

「うんいいよ」

「じゃあ俺担任に呼出しだし食らってるから行くわ」

そう言うと多田君は走って行ってしまった。
てかてかーうそー!多田君とデートすることになっちゃったよー!あたしはその場に立ち尽くしながらそんな事を考えていた。