半分呆れながらも姿勢を元に戻すあたし。


そんなあたしに気づいて依智は口を開いた。


「美依が望むなら何度でも言ってやるよ。美依が好き。他の誰よりも…な」


言いきったあとに蕩けるような極上の甘い笑顔を向けられたあたしはノックアウト寸前。


あんな甘ったるい言葉のあとに極上の甘い笑顔とは…今のあたしには刺激が強い。


なんか今日の依智は無敵だと思います。


あ、勿論、私的ですがね。




茹蛸のように赤いであろう顔に手を団扇代わりに扇ぐ。


「………プハッ。美依、真っ赤じゃん。美依がもう一回言えって言ったくせに」


からかうように言われ、グッと言葉につまる。


たしかに…あたしが言えと言ったが………。


誰もあんなにグレードアップ(甘ったるい言葉)させて言うなんて思うわけないじゃんか!!


あたしにだって人並みに羞恥心くらいあるんですよ!!


そんな想いを込めながら依智を見るもからかう感じは消えて、愛おしいものを見るような眼差しであたしを見るものだからあたしは自然と微笑んでいた。





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