「んー………」


暑苦しさに目を覚まし携帯のディスプレイで時間を確かめるとまだ午前6時。


思いっきり顔を歪めて寝返りをうち再び寝ようとしたのだが…目に映ったものにビックリ。


「キャー!!!!!?」


叫んでしまった。


その声で隣にいたのがモソモソと動いた。


「んぅ…美依、うっさい………」


そんなことを言って再びスヤスヤと寝ようとしている隣の人物。


いつもより暑苦しかった理由は…コイツだ。


あたしのセミダブルの一人だと広いけど二人だと狭いベッドに何故か一緒に寝ている───依智。




午前7時。


ダイニングのテーブルに向かい合って座っている二人。


一人は怒っていて朝食を黙々と食べている。


もう一人は左頬に真っ赤な手形をつけて朝食を黙々と食べている。


その表現でお分かりだろうが前者が美依、後者が依智だ。


しかしこれは夏休みに入ってから恒例になりつつある。


「…ご馳走様でした」


そういい立ち上がろうとした美依の腕を掴んで静止させ、依智が立ち上がり食器をシンクの中に入れた。


これも恒例。





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