「あれ宮田、靴は?」



教室に戻ると、スリッパを履いたあたしの足元を見て友達が指差す。



「落とした」

「はぁ?何それ」



だって、落としたのは事実だし。

あー、上靴また買わなきゃ。めんどくさい。



「ねぇ、てかさ
廊下騒がしくない?」



言われて見れば、確かにさっきから騒がしい気が…。

あたしの眠っていた野次馬魂に火がついて、クラスメイトを押しのけて廊下に出る。

見るとみんなの中心には関谷海がいた。



「宮田さんってどのクラス?」



え…?

な、なんであたしの名前を…

クラスメイト達は一斉にあたしを見て、指差す

ちょ、ちょっと!なんてことすんの目立つじゃん!!

慌てて顔を手で隠すけど時既に遅し。



「あ、いた」



関谷海に、見つかってしまった。