君がシンデレラ!




「はぁあー、なんでお前かな…」



会議室に向かっていると、隣の男子が深くため息をつく。



「谷、悪かったね、あたしが一緒で」

「ほんとだよ、だって、文化祭実行委員会といったら夏の青春のド定番だろ!!?かわいい子とペアとかなったらなんかが芽生えるかもしんないだろ!!?なのに………ハァ…………」



おい、人の顔見て盛大なため息ついてんじゃねぇ!!!

それにあんたとなんか誰も何も芽生えねーよ!



「お、ここ空いてんぞ、ここ座るぞここ」



谷が空いた席を指差す。

もう会議室には何人か他の委員の人が来ていて、谷の隣の席には小っちゃい女の子が座ってた。



「どもー、D組の谷っす、よろしくー」



谷はにやにやしながら、隣の女の子にあいさつをした。

こいつ…絶対この子目当てでこの席選んだな?





しばらくして、先生が入ってくる。



「おー、A組以外はみんな揃ってるな?」




A組…

空いている前の方の席を見る。

すると、



「すみませぇ〜〜〜ん!
委員決めてたら遅くなっちゃいましたっ!」



甲高い声を出して入ってきたのはなんとケバ子だった。

それから、その後ろには…



「あっ!!」



せ、関谷海!!?なんでっ!!?

思わず声を出してしまった。

慌てて口を抑えるあたしと目が合う。
けど関谷海はすぐに目を逸らすと、前の席に座った。



「うるささいぞ宮田よ、まぁ座れよ」



可愛い子にいいとこ見せようとしてるのか、谷があたしを席に座らせる。

こいつに注意されると、なんかむかつく。