『近くのコンビニにいて』
とだけ言い残して電話を切り、
久しぶりの全力疾走。
駐車場に、目立つ赤い車を見つけて
助手席側に向かった。
コンコンって窓を叩くと
すごく驚いた顔をしてる俊、介。
俊介は部屋着のあたしを見て
『乗って』
って口パクで言った。
乗り込むと、昨日と同じ匂いの車内。
「部屋着なんかで、ごめんね?」
相手はYシャツにスーツなのに、
失礼すぎたかなぁ?
「んーん。超急いでくれたんだろ?」
って、にこって笑う。
それに、きゅん。
けど、
「しかも肝心のパーカーも忘れるくらい?」
って今度はバカにして笑った。
それを聞いてやっと気付いたあたし。
…ごもっとも。
あたしほんと、アホすぎでしょ?
て、少ししゅんとするあたしに
「もしかしてわざとかー?」
なんて、可愛い意地悪。
「違うもん!」
「まじかよ残念〜」
わざとらしく頬を膨らませた俊介と、
ふと目があって爆笑した。
.