「上がって」
ど緊張しながら入りこんだ部屋は、
綺麗で、必要以上のものがなくて。
むしろ、言ってしまえば生活感のない部屋だった。
今更だけど、いーのかな??
「座んないの?」そう言われて、ソファーに腰掛けた。
ふと目についた、キティちゃんの時計。
あまりにこの部屋とミスマッチなその時計は、
とても彼の趣味とは思えなかった。
…あ!彼女さん?
が、かなぁ?
忘れてたけど、
こんなかっこよくて優しくて
彼女がいないなんてあり得る?
だとしたらあたしなんかが上がり込んじゃだめくない??
勝手に想像して、一気に焦るあたしを見て
彼はふっと笑った。
「なんかあんのか?」

