車のドアを開けて、助手席にあたしを下ろすと 素早くその人も運転席に乗り込んだ。 車の中は、煙草の匂いと、男物の香水の匂いが入り交じっていた。 「……あんた、危なすぎるんだけど?」 ダッシュボードから煙草を出しながら、呆れたようにつぶやく。 だって。だってぇ… 「あいつらが一番わりーのは確かだけど。 あんたも無防備すぎ」 ごもっともな言葉が胸に突き刺さる。