「暇ーっ!!」


 辛くない熱ほど暇なものはないしーっ!!



「寮の掃除でもしようかな?」


 思い立った以上やりたくてやりたくて仕方ない。


 我慢の限界で…パジャマからお気に入りのTシャツとミニスカートに着替えて、掃除用具を用意して部屋から出た。



 ちょっとふらついたけど…大丈夫でしょ!!



 寮の長い廊下を掃除中。


 ほうきで廊下を掃いて、雑巾をかけた。


「うわーっ、すごい汚れ…。」

 おろしたての雑巾が真っ黒。


 水を汲んだバケツに雑巾を入れて何回もこすった。


「ん?」


 なんかさっき視線を感じた。


「…気のせいかな?」


 寒気がするよ…?


 もしかして…幽霊とか?


「そっ、そんなの信じないもんっ!!」


 後ろを振り返っても誰もいない。



 それからも雑巾がけをゆっくりとした。


「うわっ、雨降ってきそうだな…。」

 ふと見た空は、黒い雲でいっぱい。


「雷ならないよね…?」


 ちょっと苦手がありすぎるって困るよ…?


 うぅ…。



 できるだけ窓を見ないように長い長い廊下に目をやった。


 ――――ヒタッ ヒタッ ヒタッ


 足音が後ろから聞こえる。


「気のせい 気のせい 気のせい…」


 何回も何回も何かのおまじないみたいに唱えた。


 
 とうとうふってきた雨…。


「結構降りそう。」