あたしは―… 久しぶりに、翔くんがあたしの名前を呼んでくれたことで “陽菜ちゃん”って 翔くんの口から、 あたしの名前が出たことで ただ、それだけの事で、 頭がいっぱいになってしまって。 「変わんないな…」に込められた 翔くんの複雑な胸の内に 気付きも、しなかった。 ――…ごめんね、翔くん。 あたしが、もっと… もっと、ちゃんと気にしてあげられたら、よかったのに――… 【光と影 終】