月の恋人






「こんなの…知らない…」



弾けるパーカッション。



ジョージさんのドラムは激しくビートを刻んで

七色の音と光が飛散している。




お客さんは、みんな飛びきりの笑顔で

心底、この空間を楽しんでいた。




アナザーから生み出される

光と音の洪水で、会場がひとつになる。







「なに、これ…すごい…!」





フロアにいる人たちは、決して翔くんたちの演奏を聴きに来た人ばかりじゃないのに、こんな一体感を、生み出せるなんて。









――…音楽って、すごい。