「――… 涼……っ!」 想いが――…、溢れる。 そこにいたのは、間違いなく、涼だった。 夢でも幻想でもなく、現実の。 感情が、堰を切ったように後ろから押し寄せてきて あたしはたまらず、涼にしがみついた。 「陽菜――…」 おひさまの匂い。 涼の、匂い。 あたしをどこまでも安心させてくれる、 大好きな、涼の匂い。