月の恋人





「…… 翔くんっ… はなして…」


「…… いやだ。」






――――… どうして? 翔くん…








「…… 俺のいない間に、随分仲良くなったんだな…」


遠くから、涼がそう言った。





「りょう?」


「… これで、居場所は、なくなったか…」




なかば、諦めにも似た呟き。







―――… なにを、言ってるの? 






ひとりで、納得して

答えを出さないでよ。




あたしの話を聞いて。


どうして、あたしの声は涼に届かない?